虫の音や 見知らぬ人の 通夜の席

今日、私の母方の叔母の姑、というだいぶ遠い方のお通夜に出ることになり、仕事を早めに切り上げて某県某所の御宅へ伺った。
もちろん初めて訪れるところだったのだが、その御宅は田んぼの真ん中にあり、少し寒いような風の中に虫の音が響き渡っていた。かなり立派な御宅で、よく手入れされた庭木のある広い庭には通夜振る舞いの料理や飲み物が並べられたテーブルと、それを覆う仮設テントが建っていた。地元の素封家のようで、花輪もたくさん届いていた。何でも話に聞くところでは、この家の建前を古式ゆかしく豪華にやったため、市役所だかどこかが記録映像として残すために撮影に来た、というほどのお家だそうである。
とはいえ顔どころか名前も今日初めて知るような方なので特に感慨のあるはずもなく、私の主たる役目は両親とともに、やや足腰の弱くなってきた母方の祖父母のエスコートをすることである。叔母と叔父(故人は母親に当たる)は、会場で忙しそうに挨拶などで立ち回っている。私は両親、従姉妹(故人は父方の祖母に当たる)らと長い焼香の列に並び、抹香での焼香を済ませた。
焼香が終わると庭で通夜振る舞いの料理に少し口をつける。間の悪いことに、テントのスペースの関係で、私だけ祖父母、両親、従姉妹と離れてしまい、ますます距離感のわからないことになってしまった。見知らぬ場所で行われている、見知らぬ人の通夜の席で、見知らぬ人に囲まれてつまむ見知らぬ寿司というのもなかなか乙なものだった(わけがない)。
ところで、近所の方がお手伝いでおにぎり的なものを作って持ち寄ってくれていたのだが、それが何と「赤飯」だったのである*1。しかも普通の三角の形で。誰もそれで目くじらを立てている様子はなかったのだが、普通、お通夜の席や災害時の炊き出しなどの不幸系のときのおにぎりって丸く握るものではないだろうか?*2 そして通夜に「赤飯」て。まぁ私もこれを糾弾するとか批判するとかそういうんでなくて、もしかしたら場合や地方によっては赤飯を出すとか三角で出すとかそういうこともあるのかなぁ、と思っただけなのであるけれど。
そんなわけであなたの地方のお通夜・お葬式の変わった習慣、お通夜・お葬式での赤っ恥体験を募集中。お坊さんがハーレーで来た、お香典が全部タイバーツだった、などなどなんでも結構です。って『こたえてちょーだい』かよ。



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*1:「『ユミちゃん(叔母の名。仮名)』の本心はそりゃお赤飯だわよ」とのたまった母よ、あなたは正直すぎます。

*2:逆だっけ? 不幸系が三角だっけ? 「殺していいのは朝蜘蛛か夜蜘蛛か」ぐらい、毎回ごっちゃになってわかんなくなる。