無題

仕事から帰る途中の道で、ランドマークタワーが見える。
夜中の2時過ぎなんで、ランドマークタワーに入っているオフィスやホテルの窓の明かりも、当然ほとんどが消えていて、僅かにパラパラ点いているだけなんだけど。
それとは別に、なんだろう、飛行機用の非常灯というのかなんというか、赤いランプがビルを覆うように灯り、点滅している。真っ暗な夜の空に、赤いランプに縁取られて覆われたランドマークタワーがそびえ立って、点いては消えるランプは、それが呼吸をしているかのように見える。
それを見ると、いつも私は、体表に薔薇疹を発症した梅毒患者を思い出す。ゆっくりと、絶え絶えになってゆく息づきが、寝静まった横浜の街を睥睨している。もしかしたら、やがてそのまま点滅を、そして息づきを止めて、ゆっくりと崩れ落ちていくのかもしれない、と思って、ついしばらく立ち止まって見つめてしまう。
もうすぐ、春ですね(←取ってつけたように関係ないこと言ってまとめようとしてんなよ)。




深夜の街は、静かで寂しくてからっぽなので好きだ。人気blogランキング