茶太一斗のすべらない話

私は、よく聞き間違いをする。別に、耳がおかしいというわけではないのだが、似ているけど全然意味が違うフレーズに聞き違えてしまうことが割とある。たこ焼きを食べていた後輩から「(一つ)食べますか?」と訊かれて「え、『ダイバスター』?」などと素っ頓狂な返しをしてしまうことなど朝飯前だ。
普通の会話でさえこうなのだから、電話でのやり取りはけっこう危険である。くぐもっていたりすると、てきめんに聞き間違えてしまうからだ。
私が新入社員だった頃の話。右も左もわからないので、社内の他の事業所などからの電話など、もう誰からかかってくるものやらさっぱりわからない。さすがに幹部社員くらいは多少名前を覚えていたが、それ以外の現場とか実務レベルの課長だの係長だのとなったら、当然のことながらもう誰が誰やらだった。
ある日、某事業所の課長から、私の所属部署の課長に電話がかかってきた。「○○課長はいらっしゃいますか?」といわれ、「少々お待ちください」と答えたはいいものの、電話をかけてきた相手の名前がちょっとあやふやだった。その課長は「田面木(たもぎ)」さん(青森のほうに多い姓だそうな)というのだったが、はっきり聞き取れなかったので、私は自分の耳に聞こえたまま、課長に取り次いだ。
「課長、タモリさんからお電話です」
課長はこう答えた。
「うん、『いいとも』って言っといて」





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