『冬物語』が好きだった
あの『電車男』が、漫画誌で異なる作者での四誌同時連載、という異例の展開をしているそうである。で、『週刊YOUNG SUNDAY』は満を持して原秀則を投入。まぁ確かにあの作品を漫画化するんなら原秀則しかいなかろう。夏だからどうせTUBEだろ、的な感じで、「ラブコメ」(懐かしさに思わず頬が赤らむ)だから原秀則だ。
で、新連載第1話目を読んでみた。いやぁ、すごいね。思わず自分が21世紀の平成17年に生きていることを忘れてしまいそうな感じでしたよ。あの人はいつまでもああいう作品を描くんでしょうね、青春ラブコメと野球とで。『電車男』自体がネットや「2ちゃんねる」という現代性を帯びた背景と小道具で成立した、やや時代遅れの純愛ストーリーである以上、やはりあの作品をコミカライズするのは、正しい「ラブコメ」を描ける原秀則しかいなかったのである。小学生が平気でセックスしちゃう昨今、もう「ラブコメ」は漫画の中にしか存在し得ない。「ラブコメ」は誰かによって保護され、描き継いでいかなければならない、漫画界の「トキ」であったのだ。
おまけ:この人が描いた『電車男』を読みたい
・つのだじろう(やり取りはメールじゃなくて「恐怖新聞」)
・原哲夫(電車の中の酔っ払いは秘孔をつかれて…)
・西岸良平(最後は茶川先生の回想)
・川三番地(あの雑な絵で描かれる「エルメス」)
・森田まさのり(舞台は吉祥寺)
・きうちかずひろ(構図は2パターン)
・荒木飛呂彦(「エェェェェェェルゥゥゥゥゥメェェェェェェスゥゥゥゥゥッ!!」)
・倉田真由美(「電車男」が働かないわ暴力振るうわギャンブルするわ)
・日野日出志(うなされそう)
・柳沢きみお(安っぽそう)
・安西水丸(ヘタウマの『電車男』)
・中沢啓治(「うわーん、あんちゃーん!!」「エルメスー!!」「ギギギギ…」)