近くて遠い国

いま話題になっている『マンガ嫌韓流』を読んでみました。断っておきますが私、別に日本以外の国の肩をことさら贔屓して持とうという気は毛頭ありませんよ。中・韓・朝の三国のあいも変わらぬやり口や、朝日新聞を代表とする、その三国の手先みたいなマスコミの報道には日本人として憂慮しておるところであります。私の母校の高校がまた露骨にその三国が大好きなものでしたから、その反動もあります。そんなわけでそれなりに期待して手に取ってみました。
マンガ嫌韓流
おお、晋遊社ですか。懐かしい。学生時代、エロ本屋でバイトしてたとき*1ここの成年マンガをよく扱いましたよ。そこが「韓流」? 「姦流」じゃなくて? それはさておき読んでいこう。
もう表紙からし絵がヘタクソ。やっぱり中身もヘタクソ。作者の山野車輪さんという方、不勉強にしてよく存じませんが、おそらく日本を憂慮し、韓国の不法・非道を告発する勢い余ってペンが荒れたのでしょう。気にせず読み進む。続いて日本語がヘタクソ。いちいち引用してもいいけど、初歩的な誤りが散見される*2。いや、これもきっと韓国の不法・非道を告(略)。あるいはエロマンガ系出版社の「作法」「矜持」としての日本語のよれなのかもしれません。目をつぶって読み進む。物語の展開が単調。思わず「原作・雁屋哲」という文字を探してしまいました、って彼がこんなのの原作を書くはずありませんね、サヨクなんですから*3



韓国人「ふん、日本の食の歴史なんてたかが知れてる。とてもじゃないがひどくて認められたもんじゃないね」
栗 田「ひ、ひどいわ…。なんて独善的なの。まるで日本がすべて悪いみたいじゃない…」
山 岡「逆だ。日本の食の歴史なくして韓国は語れない。日本の食の歴史こそが、韓国を作ったといってもいいんだよ」
韓国人「なにぃっ!」
栗 田「や、山岡さん!」
山 岡「(以下、ぐうの音も出ない感じに理路整然と韓国を論破)」
韓国人「ぬ、ぐぐぐ…」


全編、おおよそこんな感じです。「食の歴史」を「植民地支配の歴史」にでも置き換えればピッタリ。
それでも読み進む。特段、目新しい内容はない。私もこの問題について格別詳しいわけではありませんが、そんな私でもおおむね認識しているような内容でした。とはいえ、日本が韓国に残した資産の具体的な数字などのデータは興味深かったですし、石原慎太郎都知事の発言を歪曲し捏造報道したTBSについてまとめられているところは注目に値しました。西尾幹二大月隆寛などの寄稿もあります。
というわけで、内容的には入門篇という感じで、初めてこの問題に触れる人にはわかりやすいでしょう。ただ、漫画になって読み易くなっている分、「中二病」的な嫌韓層が増えるのでは、という懸念はありますが。
韓国の不法・非道について告発し、日本国民が正しくそれを知ることに資する本は必要です。が、ただワンワンキャンキャン吠え立てるだけの稚拙なものであったら、彼らと同列に堕してしまうわけですし、ここはいっちょ彼らとの格の違いを見せ付けて圧倒的優位に立つためにも、もう少しレベルの高いものを期待したかったなぁ、と思うのでした。もちろん、こういった本が出ないよりははるかに意味があるのですが。
ところでこのノリで○価○会を告発するマンガってできないですかね。こっちも割合、喫緊で必要とされていると思うのですが。



珍しく硬め(?)のことを書いてしまった。人気blogランキング

*1:好んでエロ本屋でバイトしていたわけでなく、応募して行ってみたらそこがエロ本屋だった、というだけの話。さらにいえば純粋な(?)エロ本屋ではなく、エロ本以外の商品もあったのですが、売り上げの7割をエロ本とAVが占めていたので「エロ本屋」と呼んでいました。ここでのバイト話はいろいろ面白いのですが、また別の機会に。

*2:いまやってるクイズ系仕事の関係で、日本語については目が行きがちになっています。

*3:あの『週刊金曜日』に連載されていた、彼原作の漫画『蝙蝠を撃て!』は必見。いわば谷沢永一『悪魔の思想』のサヨク版。