R-1ぐらんぷりを

ビデオを調達して観ました。といっても諸事情によりアタマ30分が切れてたんですけど。よりによって、ごっつしょーもないキャプテン☆ボンバーのネタからです。昨年のネタが結構好きだった中山功太(多分今回もDJネタだったんだろうね)、数少ない非・吉本の芸人であるところのバカリズム*1、多分今年も「M-1に勝つ」という目標を度外視して自分のやりたいようにやったであろう友近のネタは丸々観られず。残念(丸々のビデオをお持ちの方、どなたか貸して下さいませ)。
で、ちゃんと観られたのはあべこうじ浅越ゴエ岸学博多華丸の4人。私の感想は「華丸>岸学>浅越>あべこうじでした。この4名の、審査員による実際の評価は「華丸>あべ>浅越>岸学」でしたけれどね。まぁ単に好みの問題なのですが、あべこうじのネタというか芸風は個人的にはあんまりなぁ(今回は出てないけど、ついでに言うと佐久間一行も)。正統的スタンダップコメディの芸人さんて若手では貴重なので頑張ってほしいし、それを期待してはおるのですが、それと私が感じる面白さとは別だったようで。浅越ゴエはさすが第2回チャンプだけあってこなれてましたけど、最初から最後まで「あー、やっぱりうまいねぇ」という印象のまま、いまひとつドカーンといき切らずに終わってしまった感が。まぁ第2回の優勝も「しっくりこないニュース」でしたしねぇ。どんなものでも続編のハードルは高いわけです。お笑いもその例に漏れないということで。岸学のピンのネタは、私はこれが初見。「どきどきキャンプ」としてのネタはそれほど面白くなかったような印象があったのですが、私としては相対評価博多華丸の次に来ました。あの、女性が生理的に受け付けなさそうな「邪悪な天野ひろゆき」顔がまたいいですね。やったのは「生徒にイジメられてる教師」のネタ。「先生の手帳の土曜日のとこ全てに『アド街ック天国』って書いた奴誰だー!?」「先生の家の窓に『テナント募集』って貼った奴誰だー!? 先生の家、『団地』だぞ!」「先生の家の隣に空港ができました」とか好きだったなぁ。でもガッチガチだったねぇ。「国土交通省…誰だー!?」はなんかネタをすっ飛ばしたっぽかったし。バカリズムとともに非・吉本の一角*2な上に芸歴も浅く、大舞台で雰囲気に飲まれていたのかもしれません。今後に期待。
で、博多華丸ですよ。素晴らしかった。文句なし。今回は「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」全国大会でやった「児玉清の『あいうえお作文』ネタ」をブラッシュアップして挑戦。カ行で「亀梨和也さん」とか「ケミストリー」とかの知らない・興味ない単語はさらーっと流して、自分が興味ありそうな「木下藤吉郎!」とか「コートジボアール」は強調する、というネタにもう爆笑。タ行の「立ってしまわれた」「挑戦権、獲得!」「次の問題です、どうぞ」の流れるような展開にも気持ちよく笑わせられたし、さすが最年長・最長キャリアという貫禄を中盤に発揮。そしてクライマックスの『アタックNo.1』の曲との掛け合い(これを持ってこられるあたり、彼のネタがただのモノマネではないことの証左)は、「細かすぎて…」ではできない大ネタ。満を持してR-1に持ってきたという感じですよ。「『女の子だもん』。そのとおり!」で、会場をドカーンと沸かし「1番の角に緑が飛び込んだところでお別れです」という、『アタック25』では絶対にあり得ない形でシメ。お見事でした。そりゃ太平サブローもベタボメするよね*3。結果、あべこうじを12点という僅差で交わして優勝。出場順がどうやって決まったのか知らないが(まぁ抽選だろうけど)、それも最後というおいしいところを引くあたり、今回は「博多華丸のためのR-1」と言っても過言でなかったのかも。昨年のほっしゃん。に続き、芸歴の長い人が底力で勝利をもぎ取りましたね。こういうのは観てて気持ちいいです。
来年は誰でしょうか。次あたりで「非・吉本」「関東」の芸人の優勝が見たいですが、いまの関東にそんな人っていたかなぁ。
そしてなぜかR-1の結果のコメントが「根多場」になってるし。自由だなぁ、君ら(笑)。油断もスキもあったもんじゃないよ。そんなあなたたちが大好きです。



永田寿康だったんだ、準優勝(笑)。人気blogランキング

*1:マセキ芸能社。いつの間にか升野英知ピンで「バカリズム」を名乗るようになっていたねぇ。同じマセキだった、ファンキーモンキークリニックの二の舞にはならずに頑張ってほしい。

*2:ケイダッシュステージはなわ原口あきまさ前田健とかと同じ。

*3:本来、博多華丸・大吉というコンビを組んでいるのに今回ピンでR-1に出てきた彼を評してサブローが言った「僕もコンビでやってた経験があるんですけど」の一言に思わず涙。もちろんシローへのそれだけど。