五月雨ふぬけ

なんだか、なんにもする気が起きません。
体が動かないのです。
ぐずぐずと降り続ける、雨のせいでしょうか。
ああ、空から降るのが雨でなく
ヒューガルデングランクリュであったらよいのに。
そしたら私はルーフバルコニーに
子ども用のビニルプールを広げてはしゃぐことでしょう。
私の頭を、二の腕を、肩を、背中を、腰を、膝を
ヒューガルデンの雨が叩き
いじけたペシミズムを、ほんのつかの間
――あたかも、酔いから醒めるまでの間だけ――洗い流してくれるのだ。
やがてその雨は雹に代わり
いや、雹かと思ったらそれはダイスチーズなのです。
私はビニルプールの中でぴちぴちと跳ねるどじょうのように暴れたのち
そのプールをごうごうと飲み干して
「大変に結構!!」
と大声で叫んだら
あとはダイスチーズを両手でむすび、ムシャムシャと食べ
大きな音がする屁を垂れたあと、涙が乾かないうちに家を出よう。
乾いてしまったら、それを見せられないから。
そこで我に帰る。
一枚、余分に着てきてしまったカーディガンのような
持て余し気味の疲れと肩こりが私に凭れかかる。
俺のメガネはどこや、怒るでしかし。
メガネメガネ。
明日がやってくる。接近−回避型のコンフリクトな明日が。
それは明日、私のところにやってきて、
家のドアを叩いて、私を揺すぶって起こすのだから
そいつが来るまで私は、やけっぱちで眠ります。




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