尿意、ドン!

昨日は例によって青山でネットラジオの生放送。たまたま私が原付ではなかったこともあり、本番終了後、出演者で軽く飲むことになった。まぁ始めたのが22時半過ぎぐらいの時間なので、1時間強ぐらいのものだったのだが、飲んだ顔ぶれが顔ぶれだったので、実に話題も濃ゆく、笑いも濃ゆく、バカさ加減も濃ゆく、ぼんじり頼みすぎ! な飲み会になった。そんな中、私は大ジョッキ4杯、中ジョッキ1杯ぐらいを空けたところで、終電の時間があったので他の人より若干早く辞去したのである。
店を出て、青山一丁目の駅に急ぐ。ホームに入ると、ちょうど終電1本前の電車が発車したところだった。無事、終電に間に合ったが、先ほどまで飲んだビールのせいで、私は「自然」に呼ばれた。ビールを飲むと、どうしても近くなるものである。次に乗るべき電車は終電なので途中下車はムリ、ということでしっかりトイレに駆け込み、用を足す。ホームに戻ってしばらくすると、電車が来た。この時間は各駅停車しかないため、青山一丁目から私が降りるべき終点の駅まではおよそ50分である。幸い、座席にもありつけて寝過ごす心配もない。というわけで安心して、iPodで音楽を聴きながらガタゴトと電車に揺られていたわけだ。
変調は、用賀を過ぎたあたりで訪れた。ちゃんと予め、終電であるという状況を見越して乗車前にトイレに行っておいたにもかかわらず、「自然」は執拗に私を呼んできた。尿意が私を笑いながら追いかけてきたのだ。私が降りるべき駅までは、まだ30分以上かかる。
さぁ、困った。どうするべきか。この危機的状況をいかに回避するのか。選択肢は、次の三つである。
①とにかく終点までガマンする
②途中の駅でダッシュでトイレに駆け込み、用を足して再び乗車する
③電車で帰るのを諦め、途中の駅で下車して用を足しそこから先はタクシーで帰る

危ない橋を渡らないという意味で、できるならば①に越したことはない(尿意ガマンもある意味かなり危ない橋といえるのだが)。しかし、私のキャパシティは結構いっぱいいっぱいなことになっている。なんとか気を紛らわしてガマンすべく、中吊り広告の日能研の問題を解いてみようとするが、ますます尿意は募ってくる。□い膀胱が○くなりそうだ。ヤバい。座っていると辛くなってくるので思わず立ってみて、それでも飽き足らず車内を歩いてムダに移動という挙動不審っぷりも発揮したが、そんな姑息な手段にも限界が出てきた。というわけで①は却下、というより現実的に難しくなった。
ということは②か③である。むろん、できることなら②が望ましいのは言うまでもない。しかし、田園都市線のホームにはたいていトイレがなく、ホームの階段を上がるか下りるかしないといけない。そんな短い時間にトイレまでダッシュし、ミッ「ション」をコンプリートしてまた電車に戻れるのか。そんなにことを急いては、チャックにはさむなどの事故も起きかねないし、そもそもそんな速く私は走れない。便・所ンソンじゃないんですから。お前、そんな昭和のギャグがどさくさにまぎれて通ると思うなよ。
そうこうしているうちに電車は宮前平を過ぎた。降りる駅まではまだ20分以上ある。もうヤバい。ちょっとガマンはムリ。私のダムも決壊寸前だ。もはやこれまで、なんとか少しでも駅の距離を稼いで③の手段を採るしかない、どうにかして横浜市内までは耐えしのんでみしょう、と悲壮な決意をしていたら奇跡は起きたね。
「次は鷺沼、鷺沼です。鷺沼で、回送電車の待ち合わせをいたします」
マジで!? そう、マジで。チャンス! もうドアが開くが早いかダッシュですよ。幸い、開いたドアの目の前が階段。それを猛然と上がってすぐトイレだ。文字通り駆け込んだですよ。朝顔の前に仁王立ちになり、チャック全開でダムの水門も全開ですよ。ああ、助かった。しかしほっとするのもつかの間、用が済んだらあわてて鉾を収め、ジーンズを直す。こんな日に限ってボタンフライなんぞ履いてきてしまっているから、ボタンを留める手ももどかしいのですよ。そして再び階段をダッシュで降りる。え? 手は洗ったかって? バカモン、この非常時ぞ! 時と場合を考えろ!
そしてホームにたどり着き、再び乗り込もうとした刹那、プシューとドアが閉ま……ったら一応オチになるのだが、そんなこともなく無事電車に乗り込み、終点まで帰り着いたのでした。夏場はビールが美味しいけれども、尿意には注意したいね、というお話。




「ザ・ガマン」に出たくて六大学に入った(ウソ)。人気blogランキング