ねじめ正一の第31回H氏賞受賞作で/

「ふ(fu)」という音は、どうも力強く発音しにくい。
というか、発音というよりも、息をそっと吐くだけで出てしまうような音*1である。口を「う」を発音するときのような形にして、息を(それこそ)「ふーっ」と吐き出す感じで出す音だ。重松清を読んでいるとよく出てくる、「息だけの声」ってやつである。
だから語頭の「ふ」は、よく発音が不明瞭になって聞こえにくくなる。「ふしだら」が「しだら」になったり、「不思議」が「しぎ」になったり、という具合だ。皆さんも覚えがあるのではないだろうか。
たとえばこのブログの読者である、クイズ関係の私の友人(特に名を秘す)は、モーニング娘。の5期メンバーお披露目コンサートに行ったとき、高橋愛福井県出身の高橋愛でーす!」と叫んだのを聞いて笑い転げた、と語っていた。まぁそんなこと堂々と(しかも高橋愛が)言うことじゃないからねぇ。むしろ、隠しておきたいことだろうし。
さて先日、私はとある試験を受けた。けっこう大事なというか、難しい試験である。緊張の面持ちで試験が始まるのを待っている受験生に対して、試験官が注意事項を説明していた。曰く携帯の電源は切れ、曰く問題に対する質問は一切受け付けないなどなど。
そして、試験官はきわめて大真面目にこうも言った。
「なお、試験中の不正行為は即失格として退出していただきます」。
大丈夫、いくらなんでもそんなに器用じゃないから。




何気に私の苗字も「ふ」で始まったりする。人気blogランキング

*1:「ふ」は声帯の振動を伴わない無声音で、より詳しくは「無声両唇摩擦音」という、んだってさ。よく知らないけど。