読書感想文、ふたたび

昨年のだいたい今ごろ、「根多場」でこんなお題を出したことがありました。
http://d.hatena.ne.jp/Chatterton/20050818/p1
そうしたところ、このエントリが理由となってだと思われますが、ここ数週間「○○(作品名)+読書感想文」という検索キーワードでまぁ人が来ること来ること(去年にも同様なことが起こりましたが)。中には「読書感想文+盗作」だの「パクリ+読書感想文」だのの露骨なキーワードもあり、生徒諸君の必死さ加減がうかがえて笑えます。子どもの頃、読書感想文には苦労しなかったクチ(空前絶後のぶきっちょだったので、むしろ工作とかに苦労した)としては、その必死さを想像することしかできませんが、単に解けばおしまいの計算ドリルとかよりは、「本を読む→構想をまとめる→書く」というプロセスを踏む読書感想文のほうがなんぼか大変なんでしょうね。
というわけでだね、そんなフマジメな生徒諸君にこちらのサイトをご紹介するよ。
http://www2k.biglobe.ne.jp/~onda/
もう、アレだよ。こんなことしてあげるのも(多分)今年が最後よ。来年の今ごろは、立場上そんなもの教えてあげられないことになっている可能性が大(だといいなぁ)よ。
ってこれではあまりに教育的配慮が足りんな。まともな読書感想文の書き方のコツ(ただし自己流)も多少は書いておかんと。
①あらすじは書かない
あらすじを書いて枚数を稼ぎたい気持ちはわかりますが、意外とそれだと書きにくいし、評価も低いです。まぁ、切羽詰ってる彼らには評価よりも制限文字数を埋めることのほうが大事なのでしょうが。
②誰か一人、人物を絞って書く
全体に目配りして書こうと思うとかえって難しく、またダラダラとしてしまいがちです。たとえば『羅生門』だったら、下人と老婆の2人が出てくるわけですけれども、そのうちの一人に軸を定めて共感や反感、疑問や想像を書き込んでいくと、それなりに形の仕上がったものになるはずです。
③書き出しに配慮する
「僕は、『坊っちゃん』を読んで…」という書き出しで始まる感想文を何十本も読まされる教員の身にもなってください。高校生が書いた読書感想文を読んで採点した経験がある者から言わせてもらうと、たいてい書き出しがつまらない感想文は中味もつまらないです。「僕は『坊っちゃん』を読んで…」の連続の中で、ひとつ「『坊っちゃん』は先生を辞めた後、なんで街鉄の技手になったんだろう?」みたいなちょっと違う書き出しのものがあると、先生もハートをつかまれます。
④形式はけっこう自由でいい 
「読書感想文」という名前で構えてしまうから、書きにくいのです。「僕は『○○』を読んで、××だと思いました。△△です」みたいなものだけが「読書感想文」ではありません。特に書き方の指定がされていないのならば、どんな書き方をしたってその本の感想が書かれている以上、「読書感想文」なのです。たとえば②の手法で、登場人物に手紙や質問状を書いてみる、みたいなのもアリでしょう。往々にしてそういうユニークなものの方が評価は高いですし、もしそれで外してしまったとしても意欲は買ってもらえるはず。何より、書かないで未提出よりはずっとマシです。


「読むのは別にいいけど、書くのは難しいし苦手」という諸君、気が向いたら上の内容を参考にして頑張ってみてくれたまえ。夏休みもあと一週間です。のんびりなんてしてちゃダメだよ。




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