はらたいらさん死去

63歳ですって。私の父親と同い年ですよ。あまりにも早過ぎる死でした。心よりご冥福をお祈りいたします。
歴代の「クイズ番組の芸能人解答者」の中で、彼は個人的に永遠のナンバーツーでした。え、ナンバーワン? そんなもん『クイズ ヒントでピント』の浅井慎平に決まってるじゃないですか。16分割の2つ目が開いたぐらいでピンポーン! ですよ。
土居まさる「浅井さん!」
浅井慎平 「…山頭火!」
土居まさる「浅井さんに大拍手ー!」
ですよ、そんなもん。「マフィン」とか「ローズティー」とかだけのヒントで『若草物語』(作品中に出てくる食物)を当てたのを見たときには、子どもながらに「うわ、彼は全知全能の神だ」と思ったものでした。いまでこそ、他人様から「クイズ王」とか「うんちく王」などと言われることが(たまに)ある私ですが、そのいまから見たって、あんな回答(ガチでは)ムリですよ。どんだけ物識りやねん、と思わされます。
何の話だっけ? ってそうだ、はらたいらだよ。mixiとかいろんなところで、彼の死去に言及した日記とか記述を目にしました。まぁ当たり前かもしれないですけどみんな、『クイズダービー』のことを話題にしているのですな。いや、彼を語る際にそれは欠かせないことですし、その死がまったく話題にならないことよりはどれほど幸せなことかしれない、と思うのです。思うのですが、彼は紛うかたなき漫画家なんですよ? なのに、その死のときに語られるのが本業でなくて、出ていたクイズ番組のことオンリーってどうなんでしょう? 漫画家としては幸せなことといえるでしょうか? はらたいらのことを知っているという人の中で、どれだけの人が彼の代表作を挙げられるというのでしょう。かくいう私も『ゲバゲバ時評』と『モンローちゃん』ぐらいしか知りませんが(というかそれぐらいしか代表作がないのか)。あ、あと『ガキ大将がやってきた』ね。彼の自伝的小説。TBSでドラマ化された。当時中学生で、その6年後にヘアヌードになる坂上香織が美少女役で出てた(いや、実際そのときは美少女だったけど)。エンディングテーマの『青春ちょっと前』が懐かしい。それぐらいですよ、『クイズダービー』以外で私がはらたいらについて語れることなんて。
そんなわけで人間、うっかり本業以外で活躍してしまうと痛し痒しだなぁ、と思った次第。もっとも、本業ですら活躍できない人のほうが多いことを考えるとそれだって十分幸せなことなんですけれど。




はらたいらがはたらいた。人気blogランキング