わたしのミステリー体験

半蔵門線の女性(神奈川県 T・Cさん(男性)29歳)


昨日のエントリでも書いた、都道府県会館に行った日のことでした。
用事が住んだので帰宅しようと思った私は、永田町駅から半蔵門線に乗りました。時間は午後2時前ぐらいだったと思います。昼下がりだったので、まだ車内にはいくつか空席があり、私はドアにいちばん近い、隅の座席に座りました。すると、私の後ろからくっついてくるような感じで、すうっと電車に乗り込んだ若い女性も、私の隣に座りました。
その人は、20代の中ごろに見えました。髪は短めで少し巻いており、Gジャンをはおっていました。特に目立つわけでも、あか抜けているわけでもなく、本当にごく普通の女性のようです。周りの乗客も、誰一人として彼女を気にしているわけではありません。
しかし、私はなぜか、隣にいるその女性に対して不思議な違和感を覚えていました。何か、どこか違う。うまく説明できないけれど、その女性が、周りの空気とは少し浮き上がっているような、そんな感覚にとらわれていました。
私のすぐ右隣の、ほとんど腕や腿がふれ合うほど近くにいる女性が気になった私は、少し不吉な予感を覚えつつも、自分の違和感の正体がなんなのかを確かめようと、思い切って首を右に向け、彼女のほうを見ました。
そのとき私が見てしまったのは、にわかには信じられない光景でした。
その女性は、他にも多くの乗客がいる車内で、学研の『ムー』を熟読していたのです。
電車が渋谷を過ぎた頃、その女性はいつの間にか姿を消していました。あとで友人に聞いたところによると、昔、青山一丁目あたりで、『ムー』を読みながら道を歩いていて車にはねられ亡くなった若い女性がいたということです。すいません、嘘です。ごめんなさい。


昔、オカルト系がけっこう好きで『ムー』とかも割りと読んでたけど、さすがに電車ん中であれを読む勇気はよう出んわ。まして女性て。若い女性て。でもある意味ステキ。お友達になりたい。ウソだけど。




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