名前を付けるのは難しいことだ

たとえば、自分に娘が生まれたとして。
親として、その子に最初に与える贈り物は、そして最後まで与え続ける贈り物は「名前」である。そこには当然、子に対する親の願いや、その子の人生の幸せを望む気持ちが込められている。知恵をかたむけ、少しでもよい名前をつけようとするのは当然の人情だ。
しかし、だからといって「運に恵まれた子どもになりますように」と自分の子に「運子(うんこ)」と名付ける親はいない。「椿の花のように美しくなってほしい」と「椿子(自粛)」と名付ける親だって、まずいないだろう。いくら意味や字面がどうあろうと、音の響きがそのように好ましくない名前は、まともな親ならつけないものだ。
何をわかりきった、バカなことを言っているのだ、と一笑に付す向きもあるだろうか。しかし世の中には、少なくとも317人の親が、自分の娘にソープ嬢のことを指すみたいな名前をつけて恬としているという現実があるのである。
http://women.benesse.ne.jp/hakase/sitemap/yomi.html
…6位て。私の常識からしたら、自分の子、まして女の子に「ゆな」という名前を付けるなんて思いもよらない。「運子」の例と同じことだ。これが外国語の発音でよろしくない意味になってしまうというのならともかく、日本語である。大部の辞書に当たらなければ載っていないような言葉でもない。少なくとも、その子が一生付き合う名前を付けるに際しては、それぐらい前もって下調べしておいてもバチは当たらないのではないか。ボキャブラリーのなさを言い訳にはできまい。
おそらく私は、これから街で「ゆな」と呼ばれている女の子を見るにつけ「ほほぅ、あの子も長じては…」、ってそうじゃなくて、「ああ、かわいそうに。いつか自分の名前の音が意味するところを知ったとしても、強く生きるのだよ」と思う気持ちを禁じ得なくなるだろう。
ときどき当ブログで取り上げていることだが、最近の親の、自分の子どもへの突飛な命名は、他人事ながらやきもき、あるいはヒヤヒヤさせられてしまう*1。名前は一生ものなんだから、もう少し考えて名付けられないものかと、独身にして当分結婚の予定もない私は勝手に思うのであった。
どの漢字を当てるかにもよるんだろうけど、どういう意味を込めて付けるのかな、「ゆな」なんて。「ゆうな」だったら皇室のお印みたいでまだ素敵なんだけれども。




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*1:私の知人は、「ぷりん」と名付けられた女の子を実際に知っているという。ペットの名前じゃねえんだから。