映画『アヒルと鴨のコインロッカー』鑑賞

(ネタバレなし)
観て来ました。以前のエントリで原作を読んだ旨書きました*1が、それも映画ありきなのでした。
http://www.ahiru-kamo.jp/
評価は★★★★☆。今年観た作品の中でいちばんよかったです、といってもこれを入れて三本しか観てませんが*2。「映像化は不可能」と言われた、伊坂作品のトリックを完全映画化。作品の舞台となっている仙台でオールロケということで仙台で先行上映されていましたが、本日が東京の初日。とにかくトリックがキモの作品なので余計なことは書けませんが、ラストには泣かされました。張りめぐらされた伏線を楽しむために、何度か観ることをオススメしたいです。私は原作を先に読んでおきましたが、劇場で素直に驚きたい人は未読のほうがよろしいかと。まぁ当たり前ですが。
主演の瑛太の演技が素晴らしかったすなぁ。どこがどう素晴らしかったのかを書くとトリックに触れることになってしまうのでアレなんですけど。彼の出演作は『サマータイムマシン・ブルース』しか観てなかったんだけど、さらに注目したい俳優さんです。男前だし。
で、やはり(対照的に)素晴らしかったのが、W主演の濱田岳。ほとんど素のままという感じでしたが、そこが「椎名」という役柄にぴたりとハマっていて、好演でした。実は今回、人生で初めて「初日舞台挨拶」というものを見る機会を得たのですが(しかも二回も)、そこで映画についてしどろもどろに語る濱田岳の姿はまさに「椎名」そのもので、会場の爆笑を誘っていました。あと、関めぐみが美人過ぎて引きましたね。あれだけきれいな女性なのに、高校を出るまで芸能界には入っていなかったなんて、まだまだ日本も捨てたもんじゃありません(←なんで?)。同じ関でも、都市伝説でブレイク中のハローバイバイ関暁夫は、作中での役柄が役柄だけに、「まだ親に、映画に出るということを教えられていません」とのことで、こちらも笑いを誘っていました。それと、松田龍平のオーラがすごかったです。実は彼が出る作品を観るのはドラマ・映画通じてこれが初めてだったんですけど、なんか立ち居振る舞いが父親にそっくりだなぁ、と平凡な感想を抱いてしまいました。ナチュラル・ボーン・スターという感じです。
今日は一回目と二回目に舞台挨拶がありまして、一回目は上映終了後、二回目は上映前だったんですけど、仙台での先行上映でも舞台挨拶をしてきた中村義洋監督が、「本当にこの映画だけは、(ネタバレのことがあって深く喋れないので)ぜひ上映終了後に舞台挨拶をやらせてくれ、と何度もお願いしてきたんですが叶わなくて。それが今回、やっと叶いました」と一回目の舞台挨拶のときに言っていたのが印象的でした。確かに、二回目のそれは明らかに出演者も、口数が少なくなっていたので、舞台挨拶も二回観る意味がありました。一緒に観に行った人が、とある出演者の大ファンなので二回分のチケットをかき集めてくれたのですが、感謝感謝です。
てなわけで、ほっとんど内容に触れられないレポで失礼いたしましたが、まぁぜひ映画館へ足を運んで、ご自分の目でご覧ください、ということで。
ってそれだけじゃアレなんで、一斗的に気になった点をひとつ付け加えておきましょう。書店の店員役の平田薫がかーなりカワイかったです、出番少ないけど。

私は『魔法戦隊マジレンジャー』は観てなかったんで今回がお初だったのですが、台詞が流暢な宮城弁で、純朴な感じがしてグッドでございました。ひさびさに私の「方言フェチ心」をくすぐった演技だったといえましょう。調べてみたら実際に宮城出身の方のようで、ナイスキャスティング! と思わされました。マル。




椎名の父親役はなぎら健壱さんです。カメオですが。人気blogランキング

*1:http://d.hatena.ne.jp/Chatterton/20070523

*2:エントリでは書いてませんが、『黄色い涙』と『しゃべれどもしゃべれども』を観ました。