デキてる?判定会議 Vol.1

というわけで一昨日、昨日と「焼肉屋に2人だけで行く男女はデキている」という件について愚にもつかない考察を重ねてまいりましたが*1それを受けて我が偉大なる先輩・mykissmykissさんよりこんな投げかけがありました。

じゃあ、「二人で焼き鳥」とかどう思う?
「二人でオイスターバー」とか、「二人でカラオケ」とか、「二人でスポーツジム」とか、「二人で談話室滝沢」とか、「二人でデパ地下」とか、「二人で蕎麦屋で飲み(昼間っから)」とか。「二人でお酒を」とか、「二人でドアを閉めて」とか、「二人で名前消して」とか。後ろの方、確実に別れとるがな。
などなど、まあ、ご意見お聞かせ願いたい。と思った次第。

これは検証してみなければなりますまい。焼肉屋だけ取り上げてこれらに目をつぶるのは片手落ちというものでしょう。ここは敢然、「デキてる・デキてない」のボーダーラインが見えてくるまで考察いたし、たいと!(テレンス・リー風)。まぁノリとしては「リビジャ期」*2に誰もがアツくなった「どこからがデートだと思う?」という議論に毛が生えたようなものに過ぎないわけですが、この手の話ならホッピーとか飲みながら一晩中でもできるほど私は好きですので、まんまと乗ってみる次第。
ちなみに私は上記でいうと、「オイスターバー」と「談話室滝沢」以外は経験あります。さすがに「蕎麦屋」は昼間っからではありませんでしたが。
ではっ! 私の独断と偏見による「デキてるボーダーズ」を暫定的に決めていきましょう。
蕎麦屋で飲み(昼間っから)」>>「デパ地下」≧「オイスターバー」≧「焼肉」>「焼き鳥」≧「スポーツジム」>>>「カラオケ」>「お酒」>>「談話室滝沢でひとつ。まぁまぁそう慌てなさんな。異論のある方もありましょうが、これを叩き台にして探っていきましょう。
とはいえ「蕎麦屋で昼飲み」の首位は文句のないところでしょう。このシチュエーション、端的に言って「情事のあと」ですからね。中島らもも「蕎麦屋で酒」の艶っぽさについて書いています。さすがに三度目なので気が引けますが、すいません、引用させてください。

ところでここにはあまり書きたくないそば屋の思い出もある。
場所は目黒だったかの町のそば屋で僕は二十八歳だった。
知り合って何日もたたないのに「のっぴきならない」ことになってしまった彼女との遅い昼ご飯である。
日は高いけれど酒をとった。それともりそばを二つ。
そばよりも酒よりも、話したいことが山ほどある。お互いのことをまだよく知らないのだから。
(『獏の食べのこし』(JICC出版局))

こういうちょいとした気だるさや背徳感が似合うのですよ、「蕎麦屋の昼酒」とは。奇妙に静かな店内で、外が明るいうち、市井の人々がまだ働いているうちから、互いの情事の余韻に染みこませるように酒を傾ける。このような真似ができる関係を「デキてない」というものがいたら石を投げよ。仮に情事が抜きであるにしても、先に書いたように昼日中からちびちびと酒を(しかも酒場ならぬところで)飲むという背徳感の共有は、昨日書いた「共犯意識」と通じる。よってこれは首位。
お次は「デパ地下」。不当に高いと思った方はおられるだろうか? しかぁし! 「デキてる=互いのプライベートに、他の人間より特権的に一線を越えて踏み込める」とするならば「デパ地下」はかなり高レベルといわなければならない。なんとなれば「デパ地下」は基本的に「イートイン」ではなく、自宅などに持ち帰って食べるからだ。即ち「デパ地下でお惣菜のお買い物→その後、女(男)の部屋でお食事」という、「部屋に上がる」という行為につながっていくものなのである。部屋に上がって食欲を満たしたら、次はベッドに上がって性欲を満たしちゃうのであった。ゴメン、ちょっと言い過ぎた。調子乗った。反省している。
また買い物後、必ずしも互いの家に訪問しなくとも、「家で食べるものを買うのに付き合う」というのはやはり「近い」。レストランなどで食事するより桁違いにアイテム数が多い中から、相手の「自宅での食事」という極度にプライベートなものをチョイスするところを目の当たりにするのである。これはもう気を許し合わなくてはできない相談だ。
「アッコってほんと、生春巻きが好きだよなー」
「うん。ここのがいちばん好きかな。2つ買っちゃおっと」
「この『サイゴン』って有名な店なの?」
「ちょっとー、この間行ったじゃん。有楽町のベトナム料理屋。あそこだよ」
「ああ、ごめん。あそこか。思い出した」
「せっかく連れてってあげたのに。あ、見て。ユウスケの好きなマンゴープリンあるよ。買ってく?」
なっ!? なっ!? デキてるべ? 逆に言うと、ここまで親密な会話ができる関係でなければデパ地下の買い物に付き合ってはいけないし、付き合わせてもいけないのである。
おっといかん、長く書き過ぎた。続きは次回。皆さんが泣こうが喚こうが、このテーマは語り尽くす。きっちり検証する。3回ぐらいで終わるでしょう。To be continued。



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*1:http://d.hatena.ne.jp/Chatterton/20051024/p2http://d.hatena.ne.jp/Chatterton/20051025をご参照のこと。

*2:「リビドーがジャージを着て歩いている時期」の略。当ブログでは、「思春期の童貞中学生」的なものの面白さや物悲しさ、力強さなど諸々の要素を「リビジャ」という用語で表しています。