虎の縞は洗っても…

先日、弟と話していて聞いた話。
弟が中学生のとき、弟の学校に国語の教育実習で女子学生が来た。弟が通ったのは公立中学校なのだが、原則として教育実習というのは自分の出身校でやることになっている(よね? 特別な事情がない限り)。よってその実習生もその学校の卒業生だったりするわけだ。ところが遺憾ながらその中学校、市内でも指折りの、学力に難のある(そして生徒の素行にも難のある)学校だったりもする。その実習生の在学当時、そして現在は知らないが、少なくとも弟の在学していた前後はちょっとアレで、卒業生中、四年制大学に進むのは4割いるかどうか、という状況ではなかっただろうか(ちなみに弟はその4割の中に入っている)。
からして、そんな学校にあって四年制大学に進み、かつ教員免許を取ろうなんていうOGは、その学校の基準では「才媛」ということになるわけだ。まぁ、あくまでその学校の基準でだけれども。
で、その実習生の授業中。教材は、何だったか知らないけどよく国語で取り上げられがちな、戦争を題材にした小説だった。しかしいかんせん、生徒はもちろんのこと、その実習生、そして監督の教務主任の先生に至るまでもれなく戦後生まれ。戦争というものはあまりに遠く、想像の彼方だった。
おそらく実習の項目で、「具体的で身近な授業を心がける」みたいなポイントがあったのだろう。その実習生は、「もちろん私は戦争なんて体験してないけど、私のおばあちゃんから聞いた話」と前置きして、空襲の話をし出した。
「すごく恐怖だったんだって。もう毎晩のように米軍のB-21が飛んできて…」
あー。センセイ、B-21は飛んできたんじゃなくて、飛べなくて大火傷しちゃったんですよ。残念。



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