おっ都政

東京都の石原慎太郎知事は、銀行への外形標準課税を打ち出したり、「心の東京革命」を標榜するなど、数々のユニークで画期的な政策を断行することで知られておりますね。歯に衣着せぬ言動、中・韓・北朝鮮などへの一貫した強い態度、それらの源泉である自らの政治的・思想的スタンスなどから常に物議を醸しつつも、その強力なリーダーシップで喝采を浴び、支持を集めておられます。
いくつかのユニークな政策の中で、私が注目したのがスギ花粉対策とカラス対策です。前者は、今後10年間で多摩地区のスギ林を約1200ヘクタール分、最終的には100年間(!)かけて1万2000ヘクタール分を伐採し、現在研究が進んでいる、花粉の飛散の少ないスギに植え替えるというもの。林学の専門的なことは私みたいなアホにはわかりませんが、花粉症で悩む者としては快哉を叫びたい計画ではあります。そして後者は平成13年度中の半年間、都内のカラスを数千羽程度減少させることを目標にトラップによる捕獲やごみ収集方法の工夫などの緊急対策を行い、さらに平成14年度から3ヶ年程度かけて、同様の方法で「適切な生息数」にまで減少させていくことを目指したものです*1。そういえば、捕まえてカラスのミートパイにする、なんてアイデアもありましたね。

↑カラス料理を召し上がる知事。「なかなか旨いじゃないか。なぁ、浜渦?」(イメージ)


で、この2つの政策なんですけど、どちらも知事自身の肝煎りなのだとか。前者は、昨年初めて知事が花粉症になってしまい、大変難渋されたことがきっかけだといいます。MXTVの定例会見で記者団に「花粉症でイライラしてるから、いつもに増してくだらない質問はよしてくれ」といった意味のことを仰ったのは私も拝見しました。同病相憐れむ、ではありませんがそのお気持ちは拝察いたします。で、後者は知事がプライベートでゴルフをなさっている途中、邪魔なカラスをゴルフクラブを投げつけて追っ払ったところ、逆上したカラスに反撃されたことがきっかけだと巷間まことしやかに言われました。さすがにこれはちょっと冗談めいており真偽は不明ですが、知事がもともとカラス嫌いで業を煮やしたことは事実のようです。
つまりどういうことかといいますと、「東京都が打ち出し、力を入れるユニークな政策は、少なからず知事のプライベートな問題に関わっているのではないか」という仮説が立てられそうだ、ということです。いや、別に公私混同だの私憤で都政を云々するとはけしからんだのと言いたいのではなく、一都民であり一生活者としての知事の視点が、都政に活かされているのだなぁということを私は言いたいわけです。行政と市民との間に、意識上の、そして感覚的な乖離が少ないほうが望ましいことがあるのは言うまでもありません。
さて、東京以外の方でご存知の方は少ないでしょうが、都は現在「次代を担う若者を応援」ということで、フリーター・ニート・ひきこもりなどへの支援に力を入れています。高等学校を中退し進路について悩んでいる人への相談や仕事紹介などを行う「青少年リスタートプレイス」や、職業経験の少ない学生、既卒未就労者、フリーターの就職活動をサポートする「東京しごとセンター・ヤングコーナー」の設置などの意欲的な施策が盛り込まれています*2。現今の若者をめぐる大きな問題に対する積極的な政策として、評価できるものだと思います。
ところで知事の四男っていま何をなさってるんでしたっけ?*3




2003年の都知事選では石原知事へ投票しました。人気blogランキング

*1:詳しくはこちらを。http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/sizen/karasu/report.htm

*2:詳しくはこちらを。http://www.metro.tokyo.jp/THEME/ikusei.htm

*3:もちろん画家であることは存じておりますが、ちょっと調べてみてもここ最近の作品や個展などの情報が見つかりませんでした。