ご教示賜りたく候

えー、またぞろではございますが、こちらをご覧になっていらっしゃる「日本の頭脳」というべき皆様に、卒爾ながらひとつ借問いたしたいことがございます。
「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信がありますが、この「親の死に目に会えない」というのがどういう意味か、皆さんはご存知でしょうか? 試しに家人や友人などに聞いたところ、だいたい次のような答えが返ってきました。
「親が死ぬといういまわの際に、何らかの理由で間に合わず、臨終に立ち会うことができない
確かに「死に目」というのは、辞書でも「死に際、臨終」とあります。他にもそのように認識していた方もいるのではないでしょうか。かくいう私もそう覚えておりました。
しかし、何かでちょっと目にしただけなのですが、この「親の死に目に会えない」の本当の解釈は「親より先に死んでしまう」ということなのだ、という人がいます。なるほど、確かに親より先に死んでしまえば、逆立ちしたって親の臨終を看取ることはできません。そして、親の臨終を看取れないよりはるかに親不孝なことですし、何より当人である子にとっても、とうてい歓迎できない事態だといえましょう。夜、爪を切ることを戒めるためには、効き目があるといえそうです。また深読みをすれば、本来あり得ベからざる、そして古くより最大の親不孝とされている「親より先に死ぬ」という出来事は、さすがにそのままズバリを言い表すと生々しいから、「親の死に目に会えない」と、より婉曲、間接的に表現したのだと考えられなくもありません。
むろん、「親の死に目に会えない」を字義通りそのまま受け取れば、先の家人・友人の解釈になると思います。「親より先に死ぬ」という解釈は、拡大解釈、あるいは曲解だといえるのかもしれません。しかし、実はここ数日、某番組の仕事で日本の習慣やしきたり、迷信などをいろいろ調べておるのですが、クイズ作家の性として「多くの人がAだと思ってることが、実は正しくはBだったら意外性があって面白いんじゃね?」とムラムラきております。むろん、「実は正しくはBだった」という結論ありきでは日曜9時にお詫びしなきゃいけないハメになってしまいますので、そんな問題は作っていないのですが。
まぁ八割がた、「臨終に立ち会うことができない」でファイナルアンサーなんではないか、という気はしますが、ご存知の方のご教示を仰ぎたいと思います。ご存知でなくとも、「親より先に死ぬ」という解釈を自分も聞いたことがある、という方からの情報もお待ちしております。




爪は夜切ることが多い親不孝者の一斗。人気blogランキング