カウントダウン

とうとう、20代でいられるのもあと一ヶ月となってしまいました。焦る。なんか焦ります。
もう数年前から、「20代が終わってしまうこと」への複雑な気持ちを周りの人に語ってきました。そして、その度に多くの(特に、既に30代になっている)人から「別に、29歳から30歳になったからって、急に何かが変わるもんじゃないし、どうってことないと思うよ」と言われてきました(そういえば、あまり共感や同感されたことはないような気がする)。
違うのです。私の中では「30歳になること」ではなく、「20代が終わってしまうこと」、そして「もう二度と20代に戻れないこと」に意味があるのですよ。「30歳」は単なる「年齢」ですが、「20代」は「年代」なのです。私にとって、いろいろな意味や記憶や、楽しかったり悲しかったり苦しかったり嬉しかったりした(そして、そのどれもが大切な)出来事がたくさんたくさんあった時代なのです*1。いくつもの、密度が濃く、私にとって大きな意味のあった時間が失われること。それは喩えていうならなんだろう。その時分はリアルな感覚として実感できなかったけれど、「昭和が終わる/終わった」というのに似ているのかもしれません。「激動(ただし、自分比)の20代」がもうすぐ、不可避的に終わってしまう。そのことへの感慨です。そういえば、よく年長者から「三十過ぎるとあっという間だよ」てなことを聞きますが、それはおそらく30代が(自分にとって初めてのことがたくさん起こり、記憶すべきことがたくさんある)20代に比べてある意味「惰性」だからなのかもしれないな、と最近、なんとなく合点がいくようになりました。
いまから10年後、今度は30代が終わるときに私は何を考えて、何を思っているのでしょうか。あるいは、そんなに感慨にひたっている暇などないのかもしれませんが。
というわけで、残り少ない20代をムダにしたくない、と思いつつも具体的にどうすればいいのかよくわからない今日この頃。「20代最後の○○」をいろいろ経験し続ける一ヶ月になるでしょうが、「ああっ、アレが経験できなかった!」(←カタカナで書くとなんか微妙に淫靡だな)とほぞを噛んでしまわないようにしたいものです。
そして、20代最後の日は仕事を休んで「さよなら、僕の20代」パーティーでも開催したいと思います。にぎにぎしく。いや、しめやかに。とりあえずカラオケで『ガラスの十代』を歌いたい。「十代」のくだりを全部「二十代」に替えて、泣きながら。




これで妻子がいたらまた感慨の質も違ったんだろうけどな。人気blogランキング

*1:そういえば、10代の終わりにはそう感じたことはなかった。きっと、昔から「早く大人になりたい」と思っていたから、そして10代のときにはあまり楽しい出来事がなかったからなのだと思う。