神宮ラプソディー

早稲田大学斎藤佑樹投手の活躍により、東京六大学野球の人気が再燃しておる昨今でございますな。なにしろ地上波で特番がオンエアされるなんて、数年前は予想だにできませんでしたからね、六大学野球で。まさに神宮の救世主といっていいのではないでしょうか。
かくいう私も、その六大学のうちの一校の出身*1だったりするのですが、実は神宮球場に六大学戦を観に行ったことは一度しかありません。しかもその唯一の機会は、大学生の時分ではなく、付属高1年生のときの学校行事でのことでした。確か対慶應戦だったんですけど、結果は覚えていません。興味がなかったから、というのもありますが、そこは男子校の哀しさ、クラスメイトの(私を含めた)一部は、試合よりもチアリーダー(のキック)に注目していたからだったのでありました。
もともとスポーツに興味がなく、愛校心もそんなに持ち合わせていない私は、大学に入っても神宮に試合を観に行くことはありませんでした。関心事といえば、優勝すれば授業が休講になることと、優勝祝賀会で振る舞い酒が出ることぐらいでしたね。でも、優勝がかかった試合ぐらいは観に行っておけばよかったかな、といまになって思います。
そんな私の、六大学野球にまつわる思い出、それは母校の応援団が、試合が近くなると学内に掲げる手作りの大きな立て看板でした。ベニヤ板で作られたそれには、たとえば「○月×日 対慶大戦 チケットは△△で発売中」などと書かれ、学生に応援を呼びかけるのですが、私が在学当時の応援団にはなかなかシャレのきいた人がいるらしく、毎回一言ネタが看板に添えられていました。たとえば対早大戦のときは人間科学部で造られたスポーツサイボーグを倒せ!」、対慶大戦のときは「慶大卒の東電OL、渋谷のラブホテルで『昇天』!」(ちょうどその事件の頃でした)など、しょーもないけどなんか笑える一言が書かれていたのです。私はこのセンスが、割りに好きでした。特に東大戦のときの看板には、学力的なコンプレックスと対戦成績での優越感とがあいまってか、秀逸なネタが多かったように感じます。「最高学府VS最低学府!」*2というのが私は気に入っていましたが、いつかは「公開フリーバッティング!」と豪語しておいて負ける、というカッチョ悪い始末で、それもそれで笑えたものでした。
どこからかクレームがついたのか、それとも書く人が代わったからかはわかりませんが、やがてその立て看板は普通のものに落ち着いてしまいました。それどころか先日、用事があって大学に出向いたときキャンパスを歩いてみたら、大学当局による大規模な張り紙や、立て看板の規制が行われたらしく、もうああいう立て看板もそうおいそれとは立てられなくなったそうです。
もちろん、学内の美観や看板を立てる際のマナーなどは必要だと思いますが、そこらじゅうに所狭しとビラやチラシが貼られ、中核派が立て看板を出していたあの頃の学校が懐かしく感じられるのも事実なのでありました。




でも今度、神宮に野球を観に行くかも。プロ野球だけど。人気blogランキング

*1:六大学でも「ロクでもない大学」とはこれいかに。

*2:ちなみに「最高学府」というのは東大そのものではなく、基本的にどこであろうと「大学」のことを指しますよ、念のため。