ひるめしのもんだい

昔、勤めていた会社の裏に、弁当屋があった。
弁当屋、といってもいわゆる「ほか弁」な感じではない。たくさんの種類が用意されている手作り惣菜を、ランチバイキング式にめいめいが好きなだけ詰め込み、それを量り売りするという方式だった。だから、どちらかというと「オリジン弁当」に似ている。お惣菜だけでなく、主食などもバラエティ豊富に用意されていて、スパゲティやサンドイッチ、味噌汁やスープ、デザートもあった。また、お惣菜が割りと洋風な感じだったり、ヘルシーなメニューも多かったりで、若い女性に人気がある店だった。いつ行っても混んでいたのでときどきしか利用しなかったが、私も世話になったものである。
さてある日、その弁当屋に行ってみると、店頭に手書きでこんな張り紙がしてあった。

昨日、当店で卵焼きをお買い上げになったお客さまへ
当店の手違いで、砂糖と塩を間違えて調理してしまいました。お客さまには大変ご迷惑をおかけいたし、誠に申し訳ございませんでした

うわ、こんなベタな間違い、本当にあるんだ。昭和のマンガじゃないんですから。不運な客が買っていってしまったその失敗卵焼きは、果たしてしょっぱかったのか甘すぎたのか気になったが、そんな(たぶん当事者以外にとっては)微笑ましいおわびの張り紙をよそに、その日もその店はOLでにぎわっていたのだった。
まだあるのかな、あの店。先日、ふとした気まぐれで以前勤めていた会社のあたりまで行ったんだけど、そこまでは確かめなかった。




会社員時代はもっぱら社食派でした。人気blogランキング