ドライブ・ドライブ

ちょっと用事があり、車を運転していた。
土曜日だったけれど、幹線道路だったので、いつもの道はけっこう混んでいた。超大至急、というわけではなかったけれど、できれば早く帰りたいなぁと思っていた私は、ふと思いついて、いつもと違う道を、まったくの気まぐれで通ってみることにした。
いつもは、その川にかかる橋を渡ってまっすぐ行くところを、その日は右折。方向的には、こっちでも帰れるはずなので、どこに出るかはわからないけれど、たぶん大丈夫。ていうか日本国内だもの、きっと道はどこかにつながってる。
橋を渡って右折してからは、川沿いの道が続く。河川敷が右手に青く広がっている。大してきれいではないけれど、川が流れている。別に、びっくりするほどきれいな景色が見られたわけではないけれど、いつもと違う道を通るのは、なんだか気分がよかった。窓を開けて、川を渡ってくる風を、ちょっとだけ車内に入れた。
ふだん行く道の方向を頼りに、案内も標識もないまま、車を走らせた。ひょっとしたらかえって遠回りになっちゃったかな、と思い始めたころ、気配的にいつも通るルートに合流しそうになった。じゃあ結局、いつもの道を通っても同じか、ちょっとだけ遠回りぐらいかな。そう思っていると、道は、いつも必ずといっていいほど止められる、時間の長い信号のひとつ先の交差点に出た。
急がば回れ、というほどでもない。けれど、いつもと違った回り道は、なんか気分も変わっていいし。場合によってはちょびっと近道になるかもしれないし、ならないかもしれない。ならなかったとしても、いつもと気分が変わったぶん、ちょっと得した感じになる。
だから、回り道をこわがる必要なんてない。





ちゃんと戻ってこられるなら、ね。人気blogランキング