横浜・ヨコハマ問題について

私の実家は、横浜市内にある。といっても、横浜市民以外の方がぱっと思い浮かべる、みなとみらいだとか、関内とか元町とか、そういう場所からはけっこう離れている。片田舎のほうの横浜なのである。
てなわけで、市内でも片田舎のほうのエリアの人間は、日常以外のちょっとした買い物や食事、遊興(堅苦しい言い方だ)などには、横浜駅の周辺まで出かけることが多い。交通の便もよく、高島屋やそごうなどの百貨店や、横浜ベイシェラトンなどのホテルもある。また、飲食店も数多い。
それはそれで別にいいのだが、ちょっと引っかかるというか、気になることがある。横浜市民同士などの会話で、以下のようなやり取りが普通に交わされることだ。
「今度の忘年会、どこでやるの?」
「ああ、ヨコハマの『○○○』って居酒屋だって」
おわかりいただけただろうか。横浜市に住んでいる者同士が、「飲み会どこでやるの?」という話題に対し「ヨコハマ」と答えているのである。もちろん、この場合のヨコハマとは、地方自治体としての横浜市を指してはいない。具体的な地名でいうと、横浜市西区北幸南幸などにまたがる、横浜駅を中心とした一帯のことである。横浜市民は、地方自治体としての「横浜」と、駅周辺の繁華街としての「ヨコハマ」を、文脈上で区別し、使い分けているのである。下手したら、ちゃんと「北幸」など地名で言ったら「どこそこ?」となり、説明したら「それヨコハマのことだろ。ヨコハマって言えよ」となってしまうくらいなのである。しかし、都民が「このお惣菜、トウキョウのデパ地下で買ってきたんだ」などと言うだろうか。新宿区高田馬場在住の人が、新宿駅界隈での飲み会に「シンジュクで飲むんだ」などというのだろうか。「お前、都民じゃん」「ていうか新宿区民じゃん」となってしまうではないか。
つまり、私がここで提起したい「横浜・ヨコハマ問題」とは、都道府県や市と同名の駅があった場合、その駅を中心とした繁華街エリアを、その都道府県や市の在住者はなんと呼ぶべきか」というものである。たとえば埼玉県民なら、普通に「浦和」とか「大宮」と呼べばよい*1群馬県民なら「高崎」や「前橋」などと言うのだろう。しかし、千葉県民および千葉市民はどうか。そごうとかパルコがあるあの一帯を、何と呼んでいるのだろう。同様の問題は、全国各地にあるのではなかろうかと推察する。この種の問題を抱えている全国各地の皆さまの現状やその対処法などを、ここで募るものである。
ちなみに名古屋市民は、名古屋駅およびその周辺のことを「名駅(めいえき)」という地名で称するらしい。私はそれを、心中ひそかにダサいと思っていた。しかし今になって、名古屋市民のなんたる叡智なのであろうかと恐懼するばかりである。



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*1:さいたま市誕生以前はどうだったか知らないが。