今日の深謀遠慮、あるいは超高齢化社会の序曲

以前、某雑誌で見た、包茎治療がメインの泌尿器科(イメージキャラクターは加藤鷹)の広告にあった惹句2つ。
「ゴルフや旅行のお風呂で堂々としたい!」
これはまぁ、いい。この手の広告では、割りと見かけるフレーズだったりする。ところがもう一つのそれはこうだ。
「将来、介護される時の事を考えて・・・」
・・・どうだろう、これ? なんだか、いろいろなことを考えてしまった
まずは、「そっか、今はそんな切り口があるのか」ということ。正直、包茎手術を検討している人は、差し迫って介護が必要な年齢ではないだろう。しかし、国民共通の関心事、懸案としての「介護」というものは、もはやこんな分野にまでリアルな問題になって入り込んできているのだな、と妙に感心してしまった。
しかし、「そんな理由で包茎手術なんかするか?」という疑問も湧く。昔、山科けいすけの漫画で「将来、頭頂部からハゲてきたときのために、上から見られないよう、背を伸ばす努力をしている小学生」というネタがあったが、これはさらにその上を行くではないか。
よく言えば深謀遠慮、悪く言えば取り越し苦労というものだ。少なくとも、包茎手術を決める「ひと押し」に成り得るか、個人的には疑問である。 
また、「介護が必要になった年に、正直、そんなこと気にするか?」という問題はどうか。よく、「いい年して今さらそんなこと・・・」などと言うが、介護される年齢なんて、「いい年」どころか「超『いい年』」だ。
私は以前、会社の新人研修のとき、特別養護老人ホームで実習をしたことがある 人手が足りなかったのでフツーにおばあさんの入浴介助も行い、素っ裸にしたのだが、当のおばあさんたちには特段の照れも恥じらいもなく、「あら、今日の担当は若いおにいさんなのね」とかなんとか呑気ことを言っていたものだった(ちなみに、あんまり高齢になると下の毛はもう「生えてこなくなる」ものなんだということを、そのとき初めて知った)。そのへんの事情は、男性と女性とでは別に大差はなかろう。現実に介護が必要になったときの関心事は、「包茎のナニを見られたらどうしよう」ではなく、「今度のヘルパーさんは粗相をしたときぶん殴らない人だろうか」とかのはずだ。
てなわけで、ただの包茎手術の広告ごときに、ムダに考えを巡らせてしまった(私の考えに、ムダでないものなどあるのかという議論はさておき)。悔しい。悔しいが、こういうことを考えているときがいちばん楽しい(きっぱり)。
この日記をご覧の男性諸氏はいかがお考えだろうか。個人的には「ソープに気兼ねなく行きたい!」とかの惹句のほうがまだ現実感があるような気がするのだが、如何。女性からのご意見もお待ちしている(←来るわけない)。
これは一笑に付すような問題ではない。我々包茎人の、今後に関する重要な問題なのだ(←「我々」?)。



Q.包茎の対義語は何? 大辞林や大辞泉には、包茎は載っててもこの言葉は載ってない。人気blogランキング