Beef,pork,chicken

ちょっと簡単な質問をします。
英語では「Beef bowl」と呼ばれる、吉野家松屋で売られている丼もののことを皆さんは何と言いますか? そう、牛丼ですね。「ぎゅうどん」と読む、あの「牛丼」です。では、文明開化のときに横浜あたりで盛んに食べられた、すき焼きに似た鍋料理は何でしょう? はい、牛鍋です。「ぎゅうなべ」と読む、かの「牛鍋」です。
話は変わって。ポークカツレツのことを皆さんは日本語で何と言いますか? 豚肉に小麦粉とパン粉をつけて、油でカラっと揚げたあの料理のことです。ご名答、とんかつです。また、ラーメンに具として乗っかっているチャーシューのことを日本語で何と言いますか? そのとおり、焼き豚(または煮豚)でございます。「やきぶた(にぶた)」と読む、例の「焼き豚(煮豚)」です。
「何を言ってるんだこいつは?」とお思いでしょうか。でもさらに話は続きます。厳密には違うものなのかもしれませんが、フライドチキンを日本語で言え、といわれたら皆さんは何と答えますか? お見事、「鶏の唐揚げ」です。「鳥の唐揚げ」と書くことの方が多いかもしれませんが、「とりのからあげ」と読む、おなじみのアイツです。最後にもう一つ。子供の頃、お弁当のご飯の上によくいり卵と一緒に乗っていた、甘辛く煮て味をつけた、チキンのひき肉のことを何と言っていましたか? オーケー、「鶏(鳥)そぼろ」です。「とりそぼろ」と普通は音読する、あの懐かしいメニューです。
さて、私が何を言いたいかお気づきでしょうか? 
昔から疑問に思っていることなのですが、なぜ食材名や献立・料理名としていう場合、ビーフは「ギュウ」としか言わず、しかしポークは「トン」「ブタ」の両方が言え、でもチキンは「トリ」としか言えないのか? たとえば「うしどん」とか「うしなべ」とは言いません。また「にわとりのからあげ」とか「にわとりそぼろ」ともいいません。でも「とんテキ」とか「ぶたまん」は言えるのです。これって不思議だと思いませんか? それともいい年してそんな下らないことを不思議だと思っている私の方が不思議ですか? 普通の人はそんなことわざわざ気に留めませんか? でも、私は気に留めているのです。ノイローゼなのかもしれません。
なぜだろう、なぜかしら? よせばいいのに私なりに、ない知恵を絞って考えてみました。まず「牛」は音読みで「ギュウ」、訓読みで「うし」です。「豚」は音読みで「トン」、訓読みで「ぶた」。「鶏」は音読みで「ケイ」、訓読みでは「にわとり」。私はこれを見て、一般的に訓読みで読むほうが、「食材」としてよりも「家畜」としてのリアルな動物感が感じられてしまって用いられないのではないか、という仮説を立てました。たとえば屋台の赤ちょうちんに「焼きとり」ではなく「焼きにわとり」と書いてあったらどうでしょう? 何かちょっと、生々しくはないでしょうか? なんか今まさに動いてバタバタしているそれを串に刺して焼いているようなイメージです。しかし、それではなぜ豚は「ぶた」でも違和感がないのか*1、そして、なぜ「鶏」の場合は食材や料理名に普通「とり」が使われ、「ケイ」と読む方は少数派なのかの説明がつきません(いや、つかなくても誰も困らないことはわかってますが)。「鶏卵」という言い方はしますが、普通は単に「卵」といいますし(「鶏卵素麺」というお菓子もありますな)、「鶏肉」も何となく食肉業界の専門用語っぽい気がします。むしろ「養鶏」「鶏舎」など、鶏の場合は「ケイ」と読んでも、家畜としてのリアルな動物感は薄れないように思います。そうなると、私の仮説はもう行き詰りとなってしまいました。
というわけで「ギュウ」「ブタ・トン」「トリ」の謎はここで私にはお手上げです。そもそも私の狭い知見に限っての話なので、地方には「うしゴボウ」とか「にわとりおろし」といった名で呼ばれる私の知らないメニューがあるのかもしれませんし。というわけで、この件に関して何かご存知の方、情報をお持ちの方、お待ちしております。
しかし我ながら本当にどうでもいいっていうか、中味のないエントリでした。すんません。本当は丸っきり違うことについて書いてたんですけど、勢いで書き終えてみたらシャレにならないくらい不謹慎な内容に仕上がっちゃたんで、さすがに載せられなくて急遽当たり障りのないことを書いてみたの。テヘッ。



それはそれとしてビフカツ食べたい。人気blogランキング

*1:むしろ「トン」というより「ぶた」という場合の方が多かったりするかも。「豚丼」とか。