『アヒルと鴨のコインロッカー』

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)
面白かったです。伊坂幸太郎は初めて読んだのだけれど、引き込まれてしまいました。作中の中で登場人物が語ることばとか、比喩のセンスも好みです。
並行する二つの話が最後にかみ合うのが、ちょっと『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』みたいでした。

僕はいかにも自分が主人公であるような気分で生きているけれど、よく考えてみれば、他人の人生の中では脇役に過ぎない。そんなことに、今さらながらに気がついた。
河崎たちの物語に、僕は途中参加しているのかもしれない。
自分で自覚している以上に、僕は間が抜けているから。

↑ぐっときた一節。私も、自分では気付かないうちに、誰かの物語に途中参加して、必要な出番が終わったら退場して、を繰り返してきたし、繰り返しているし、これからも繰り返していくのでしょう。いや、私だけでなく誰もが、ですけど。なんか、わけもなく切なくなりました。
まさか○○が○○○だったとは。
映画も観に行く予定なので、このへんの映画での描き方がどんなもんなのか、楽しみです。




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