空飛ぶスパゲッティーモンスター

今日の昼、家の近所に最近できたスパゲティー屋に食事をしに出かけた。
もうここ何年も、スパゲティーといえば私はペペロンチーノしか食べないのだけれど(好き嫌いがあってペペロンチーノ以外は口にできないというわけではない)、なぜか今日は気まぐれで、「明太子といくらのスパゲティー」を注文してみた。
待つことしばし。私の目の前に、スパゲティーが運ばれてきた。明太子のいい香りがする。美味しそうだ。気のせいか、メニューの写真と若干違うような気もするが、まぁ写真と寸分違わぬものが出るわけでないのはよくあることなので、委細かまわず口をつけた。
もぐもぐ。うん、明太子がまろやかでおいしい。細かく切った青じそがぱらりとかかっていて、さっぱりとしている。もぐもぐ。でもおかしいな、いくらが見当たらないな。麺の中に埋もれてるのかな。いや、そうじゃないな。もぐもぐ、またこのイカが明太子にもぐもぐ、ベストマッチだよね。
イカ? イカなんて入ってたか?
私はメニューをもう一度見た。すると、どうも私の食べているものは、頼んだ「明太子といくらのスパゲティー」ではなく、それとよく似た「明太子といかのスパゲティー」であるらしい。机の上の伝票を確認すると、確かに伝票では明太子といくら、となっている。私はちゃんと注文したのに、間違ったものがきたわけだ。
どうしよう、もう一割強ぐらい食べちゃったよ。もうこの際イカでもいいかな。イカ、嫌いじゃないし。いや、今日の私はいくらが食べたいの。魚卵の気分なの。♪見〜あ〜げて〜魚卵〜、夜の〜ほ〜しを〜なの。っていうか明太子といくらのほうが明太子といかより高いのだから、このままでは損をしてしまう。というわけで店員を呼んで「すいません、『明太子といくらのスパゲティー』を頼んだのに、『明太子といかのスパゲティー』が来てるんですけど」と告げた。店員は伝票を確認すると自分たちのミスに気づいたのか、「申し訳ありません」といって厨房に引っ込んだ。
さて、どうするのかな。今から作り直してくれるのかな。でも、これが出てくるのもけっこう時間かかったから、また一から作り直したらアレだな。
と思っていたら、「大変申し訳ありませんでした」と言って、小鉢に入ったいくらを持ってきた。「こちらを入れて、混ぜてお召し上がりください」
というわけで、メニューにもない裏メニュー「明太子といくらといかのスパゲティー」にありつくことになったのでした。結局得だったのか損だったのか。




たぶんその店にはもう行かない。人気blogランキング