このあいだ食べたもの

このあいだ、といっても2週間ほど前なのですが。
とある寿司屋に入って、刺身やにぎりをつまみつつちびちび飲んでいると、カウンターの端のところに、見慣れないものが籠に盛られているのを発見したんですよ。見かけは、水で戻す前の切干大根みたいな感じ。正体が何かはよくわからないけれど何かの乾物で、白っちゃけています。なんだろう、と思って板前さんに訊いてみると「ししゃもを干したもの、干ししゃもです」といいます。
え、ししゃも? と思ってよく見ると、確かにひとつひとつは魚の形をしているのね。でも、我々がよく知っていてふだんよく食べるあのししゃもよりずっと小さい。うーん、シラウオぐらいかな? 干した結果ここまで小さくなったのか、まだ小さいうちのものを干したのかは訊きそびれてしまったのでわからないんですけど。
で、物珍しかったのでひとつ頼んでみましたら、トースターで軽くあぶって出してくれました。それに七味マヨネーズを添えて。もうこの時点で、そうとういい香りがしていますよ。二、三匹を箸でつまんで七味マヨをちょいつけーの食べーので賞味してみると。
うわ、うっめぇ。なんだろう、スルメともえいひれとも違うこの乾物感。実に香ばしいです。あぶられて堅くなったものを口の中でポキポキと折りつつ食べると、ほどよいしょっぱさと、海産物を干したもの特有のコクと旨みが溢れてきて。すごい。まさに「ザ・酒のつまみ」です。普通に焼いたししゃもだけでも十分おいしいのに、干したらここまで化けるのか。あ、ちなみにししゃもなれど、子持ちではないご様子。あっという間に平らげたんですけど、気に入ったんでもうひとつ頼んじゃいましたよ。日本酒とベストマッチ。
おいしいですね、と率直に板前さんに言うと、「これ、たまに高級スーパーあたりで見かけるんですよ」とのこと。へぇ、こんなん売ってるんだ。私は初めて見たし初めて知ったよ。売ってたら絶対買うのに。しかし板さん曰く、「けっこういい値段がついてたりするんですよ」とのこと。でも、そのお店で出している値段はリーズナブルでした。この二重価格のヒミツはなんなのだろう。寿司屋で出してたのは中国産だったとか。まさか。
買えるもんなら買ってみよう、と家で「干しししゃも」で検索してみたんですが、どうもそれらしいものがヒットせず。ごくごくおなじみの、焼いて食べるオーディナリーなししゃも(そりゃまあアレも「干して」はあるもんな)ぐらいしか見当たりませんで。いや、探す。必ずや探し出して家で思うさま食べる。いい値段するらしいけどなるべくがんばる。業務用で買うよ、キロ単位。『ししゃもをめぐる冒険』です。とりあえず北海道に渡るか、ししゃもだけに。




ペロリといったので画像はナシ。ご了承いただきますよう。人気blogランキング