乱読抄

暑い暑い暑い

昨日は関東地方を中心にこの夏いちばんの暑さだったそうで。館林では40℃を超えたとか。え、40℃!? ちょいとした風呂じゃないですか。これでも熱くてキツい、って人はざらにいる温度ですよ。まぁ私や私の父親は44℃がデフォですけど。江戸っ子なもんでぬりぃ風…

『人のセックスを笑うな』

読んでいるうちに、哀しくなって、最後まで読み通せるか自信がなかった。 内容自体は、特に哀しい話というわけではないんだけど、いろいろ考えたり、いろいろ思い出したり、いろいろ哀しくなったりしてしまった。 つまるところ、男が年上の女性と付き合った…

『アヒルと鴨のコインロッカー』

面白かったです。伊坂幸太郎は初めて読んだのだけれど、引き込まれてしまいました。作中の中で登場人物が語ることばとか、比喩のセンスも好みです。 並行する二つの話が最後にかみ合うのが、ちょっと『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』みたいで…

私だけでしょうか

割と昔からなのだけれど、私は二冊以上の本(特に小説)を並行して読むことができない。できないのではなく、しないだけなのかもしれないが、できそうな気もあまりしない。 遺憾ながら、私のアタマのつくりは人よりも粗雑なもので、他の本はともかく、ストー…

『素敵』

連休中に読もうと、本を何冊か買った中のひとつ。大道珠貴の短編集。大道珠貴は芥川賞受賞作の『しょっぱいドライブ』を読んだことがあるきりだったが、なんとなく気になる作家だったので今回購入。 『しょっぱいドライブ』もそうだが、この作品も特にドラマ…

生きることの「余白」

『小さき者へ』読了。 以前、石原千秋が「重松清は読者を信頼している。だから、作品に『余白』をたくさん残すことができる作家である」といった意味のことを書いていた。この場合の「余白」とは、「わざとすべてを書ききってしまわずに、読者の判断や想像に…

今週の『週刊文春』

「TVから消えてほしいお笑い芸人」ランキング、みたいな企画があった。 やはり軒並み『エンタの神様』系の小梅太夫やら桜塚やっくんやらが槍玉に上がっていて、今さら取り立てて言うほどのことでもないがまぁ同意だなぁ、と思っていた。すると、ですよ。の名…

ハマるかも

前々から気になっていた、たかぎなおこさんの本を買ってみた。 『上京はしたけれど。 』 と『ひとりぐらしも5年め』 決して上手とか技巧的という感じではないけれど、かわいくて親しみのあるイラストがすごく読んでて楽しい。三重県から単身上京し、イラス…

読んだり食べたり

もう丸2年近くも、自分で包丁を握って料理なんぞはしていない。していないが、それでも一人暮らしのときはときどき自分で簡単な料理を作って食べたし、それ以前の実家暮らしのときも、ごくたまに気まぐれで腕を振るったこともあるが、まぁとにかく基本的に…

『流星ワゴン』

重松清『流星ワゴン』読了。 やっぱり重松清は巧い。ときおり、鼻についてしまうくらい巧い。 感想は以上。梗概・評価は略。もし、読んでみようかな、という人が周囲にいたら「うん、あれはよかったよ」と言うとは思うけれど。 最近、なかなか本を読む時間が…

『舞姫通信』

重松清『舞姫通信』読了。 内容、感想、評価などは大胆に略。印象に残ったくだりを引用したい。 人は死ねる。 いつ。いつか。いつでも。 人はいつか死んでしまうし、いつでも死ねる。 (中略) 「いつか」と「いま」を隔てるものはなんであるのか。僕達はな…

♪魚でいちばん悲しい金魚

先日TVのニュースで、夏祭りの金魚すくいがどうのこうの、みたいな特集コーナーがあり、一匹ン万円もするらんちゅうが紹介されていた。あの、頭に瘤のようなものがあることでおなじみの金魚だ。 私はらんちゅうを見るといつも、かつて佐藤愛子がエッセイの中…

せんべろ忌

早いもので、もう三回忌ですか。中島らもが亡くなって2年が経ちました。 明日はけっこう早く起きなければいけないのだけれど、バーボンでも飲みながら、作品を読み返しつつ故人を偲ぼうかと思います。 読むのは『獏の食べのこし』と 『愛をひっかけるための…

「この恥がいいね」と君が言ったから

今日は午前中から、いつもの図書館でヘコヘコと書き物をしていた。 で、資料として俵万智の『サラダ記念日』が必要になったのだが、人文科学のフロアに行って探してみたら、『チョコレート革命』はあるけど『サラダ記念日』が見当たらず。ないはずはないのに…

今日の桐野夏生(?)

「球萌え。」て君……。どうかと思うよ。表紙はやっぱり菅山かおる。 でも買おうかどうかちょっと迷ってる私がいる。 宝来が表紙なら私は萌えるかもしれないが。人気blogランキング

サイン、コサイン、三省堂

昨日は仕事が終わった後、有楽町までちょいと出向いた。三省堂で唐沢俊一さんと、女優のおぐりゆかさんの新刊『唐沢先生の雑学授業』刊行記念サイン会があったからである。もともとこの本は買って読むつもりだったので、せっかくならばサインをいただきたい…

マッチョドラゴン桜

ドラマの方が面白かったんで、既刊全9巻をまとめ買いしてきました。 いやぁ、一気に読んでしまったですよ。もちろん大筋はドラマで既に観てだいたい把握してるんで、見所は原作とのストーリーの違いと、キャラのキャスティングの妙味ですかな。 原作では特…

近くて遠い国

いま話題になっている『マンガ嫌韓流』を読んでみました。断っておきますが私、別に日本以外の国の肩をことさら贔屓して持とうという気は毛頭ありませんよ。中・韓・朝の三国のあいも変わらぬやり口や、朝日新聞を代表とする、その三国の手先みたいなマスコ…

Book Baton

先日、Musical Batonに回答したところですが、本当にこの手の「質問系チェーンメール」っていろいろなのが各種出回ってるみたいで、今度はBook Batonなるものがweiraiさんから回ってきましたよ(ご指名、ありがとうございます)。http://d.hatena.ne.jp/weir…

今日の愛国心

清水義範『ピンポン接待術』。 高校から大学にかけて、一時期清水義範はけっこう読んでいて*1、これも単行本で一度、学生の頃に読んでいる。ちなみに単行本の『体に悪いことしてますか』を文庫版で改題。当時は貧乏学生だったため(何しろ酒代が必要だったか…

文春よりエゲつないし垢抜けないよね

先週発売の『週刊新潮』の「黒い報告書」を読んだ(そもそもあれ自体、積極的に読むほどのページじゃないけど)。今回の副題は「名古屋の『草原』で『黒い獣』は疾走した」*1。市内のセクシーパブ(これも何なんだか)で働く女性が、従業員のナイジェリア人…

はるか≠平山あや?

昨日、平山あやの連ドラ初主演作となる『はるか17』*1について書いたわけなんですけどhttp://d.hatena.ne.jp/Chatterton/20050530/p2。で、早速原作を買ってきましたよ。 もうちょい内容を詳細に書く。 お茶の池女子大学理工学部4年の宮前遥は、就職活動で…

はるかなる想い

サンプラザ中野『大きな玉ネギの下で 〜Story of '85〜』。 私が今まで最も長くファンであり続けたアーチストが、爆風スランプである。1999年4月に活動を休止するまで11年間、ずっと好きで聴き続けていた。サンプラザ中野が書く詞が好きだった。私の10代は…

ダラダラするクマー!

恥ずかしながら、私はこんななりをして、NOVAうさぎやQooなどのキャラクターが結構好きである。NOVAうさぎはぬいぐるみなどのグッズを持っているし、Qooは一時期、携帯のストラップや待ち受け画面にもしていた。どうも、頭がでかくて、ヨチヨチ歩いていて、…

酒と泪とおしべとめしべ

みうらじゅん『正しい保健体育』 。みうらじゅんは、私の中で「会ってみたいサブカル系有名人四天王」のうち、唯一まだお会いする機会のない1人である*1。伊集院光との共著『D.T』(名著)や、『新「親孝行術」』 など、家族や性、人生などに関する著作…

一筆啓上

家の蔵書(というほど大げさなもんでもないが)から『新しい手紙百科』(飯田泰之著。有紀書房。昭和49年刊)という本を引っ張り出してみた。刊行年でおわかりかと思うが、ちっとも新しい本ではない。そしてタイトルでおわかりかと思うが、要は手紙の書き方…

すこし・不思議

漫画好き・SF好きには基礎教養であろう、藤子・F・不二雄のSF短編。その中でもこの『気楽に殺ろうよ』をご紹介いたしたい。 ある日、目が覚めると突然、パラレルワールドに迷い込んでしまっている主人公。その世界は見た目は今までの世界と変わらないが…

ラブコメ復権の兆し?

いま、高橋留美子のあの名作『めぞん一刻』 が『ビッグコミックコンパクト』シリーズで隔週刊にて刊行中。最近、隔週で『電車男』と『めぞん一刻』のローテで読んでいる*1。あらやだ、ラブコメづいてますわよ一斗さん。 いやー、内容知ってるけどいいね、『…

帰っていく場所は、どこにもない

重松清『カカシの夏休み』。 重松清の作品は、一昨年のメキシコ旅行のとき、機内で読むものがないと退屈なので成田空港の書店で2冊、文庫を買って以来ハマってしまった。『定年ゴジラ』に感動してエグエグ泣き、横にいたアメリカ人の親子連れに不審な顔をさ…

『冬物語』が好きだった

あの『電車男』が、漫画誌で異なる作者での四誌同時連載、という異例の展開をしているそうである。で、『週刊YOUNG SUNDAY』は満を持して原秀則を投入。まぁ確かにあの作品を漫画化するんなら原秀則しかいなかろう。夏だからどうせTUBEだろ、的な感じで…